東京の中心に位置する、日本初のW認定の展望台

六本木ヒルズ・東京シティビュー

東京シティビューは、屋内展望回廊、屋外展望台のスカイデッキと2つの日本夜景遺産を有する同施設。スカイデッキは海抜270メートル(地上238メートル)のビルインタイプのオープンエアの展望施設としては関東随一の高さを誇る。屋外であるという点で異なる鑑賞環境を有し、屋内展望回廊と別料金設定であること等の理由で同じ森タワー52階にある展望回廊とは別に認定された。ヘリポートを取り囲むウッドデッキの回遊タイプで、視界は360度を確保。新宿新都心の高層ビル群、新宿御苑や赤坂御所、皇居に広がる暗闇、溜池、丸の内、新橋、汐留、お台場、レインボーブリッジ、天王洲、品川、東京タワー、東京スカイツリーも眺められるのだ。花火鑑賞、毎月第4金曜日には天体観望等のイベントも催され、その魅力を最大限に生かしている。

夜景とイベントが見事に競演する新提案続々

六本木ヒルズ・東京シティビュー
「特別展 天空ノ鉄道物語」2019.12.3〜2020.3.22開催

東京シティビューと言えば、そのダイナミックな夜景や鑑賞環境レベルの高さはもちろんだが、日々催されるイベントも大好評で、今や東京のナイトツーリズムには絶対的に欠かせない、“夜景観光”をリードする存在だ。屋内展望回廊では「都市型エンターテイメント」をテーマに眺望と融合したイベントや展覧会を開催している。展覧会に合わせて高さ11メートルの吹き抜け空間の窓面を使ったプロジェクトマッピングが行われ、東京の夜景と相まって幻想的な空間がひろがる。

イベントだけでない、夜景という魅力の奥深さ

開催されるイベントだけでなく、同展望台を巡るだけで様々な夜景の魅力に出合うことができる。その一部を紹介することにしよう。

1.ワイドな視界が導く、蜃気楼のような夜景

六本木ヒルズ・東京シティビュー

大パノラマを目の前に思わず、誰もが窓ガラス際に陣取るだろう。ただ、よりワイドな視界で景色を楽しむには、フロア後方まで下がりたい。後方に下がると、目線を左右に移動することなく、左右に輝くランドマークを一堂に味わえる。フロアの闇で夜景が一直線に切り取られ、空中に浮かぶ蜃気楼のような光景が魅力的だ。

2.展望台の高度と立地が生むマジック

六本木ヒルズ・東京シティビュー

東京スカイツリーや東京タワー、お台場の夜景。眺められる夜景の中でも最も人気が高い。しかし、気づくだろうか。湾曲する東京湾のほとんどが周辺のビル光で埋め尽くされ、東京タワーとお台場がお隣さんのように鎮座して見える。そう、展望台の高さと立地が、遠くにあるはずのランドマークを手前へと近づけ、全ての距離感を埋めてしまう希有な光景を創出しているのだ。また、東京タワーと東京スカイツリーがほぼ同じ高さに見えるのもこの展望台ならではだ。

3.え!? 新宿方面に「函館の夜景」が出現!?

六本木ヒルズ・東京シティビュー

新宿方面の大パノラマ。全体としてではなく、新宿高層ビル群と手前左右にある明治神宮と新宿御苑の二つを中心に眺めて欲しい。すると、新宿摩天楼を中心に、半円形の闇が浮かび上がって見える。その姿こそ、左右に湾曲する海岸線が特徴の「函館の夜景」のようなのだ。闇が切り取る夜景は、私たちに多様なイマジネーションやインスピレーションをもたらしてくれる。

4.夜景の色彩に注目!

六本木ヒルズ・東京シティビュー

ブルーモーメント、埠頭の夜景、東京タワーのライトアップ…。夜景には様々な色彩が存在するが、渋谷方面の夜景に注目したい。18時頃からは、眼下の首都高速や国道246号に車のテールランプが連なり、血管を流れる血液のような赤色のラインが出現する。その光のラインの流れは東京で住み、働き、遊ぶ人々があってこそ生まれる夜景といえる。また、その光のラインを見ていると、想像力が掻き立てられ、心に活力が湧いてくる。

たった1回巡っただけでも様々な魅力に出会えるが、その他毎月第4金曜日には「六本木天文クラブ」開催や、屋内展望回廊と同フロアにある「Restaurant THE MOON」「THE MOON Lounge」「Cafe THE SUN」等、夜景と食を楽しめる場所も存在。バリエーション豊富でとても1回で全てを堪能することは難しい。何度も足を運び、日本屈指の展望台の奥深さを感じていただきたい。