冬限定!大夜景とイルミネーションの競演

ぐんまフラワーパーク

群馬県前橋市に位置する県立の植物園で、赤城山の裾野に広がる同施設。園内は様々なエリアや温室に分けられ、季節に合わせて花まつりが開催されている。冬季はイルミネーションをメインとしたまつりを実施しているが、2012年に大胆リニューアルを実施。翌2013年には“日本夜景遺産”にも認定され、いまや全国イルミネーションランキング上位の常連として名を連ねている。同施設の魅力のひとつは、標高365mに位置する園内の中心にそびえ立つ高さ18mのパークタワーの存在だ。最頂部の展望台からは関東平野の大パノラマ夜景が一望。展望台から望める夜景は冬季限定とのことだが、実際に展望台へ登ってみるとその理由は明確。眼前のイルミネーションと遠方の夜景の煌めきが競演し、まばゆいばかりの光景が広がっている。イルミネーションのテーマを「妖精たちの楽園」と定めているが、園内に現れる妖精たちが、関東平野に住む2000万人の人々へ魔法をかけて幸せを届けているという。なんとも心躍るロマンティックな物語だろうか。

水・陸・空を活用した数々の驚愕演出

ぐんまフラワーパーク

同施設でも斬新な演出が多く存在する。その代名詞である「パークタワーの妖精」では、3Dプロジェクションマッピングとイルミネーションのコラボレーションショーが行われ、大きな花の妖精が突如出現し、光のシャボン玉を放ちながら夜空に向かって舞うという驚愕の“空”を生かした演出が展開。2015年新たに登場した演出では、「フェアリーファンタジア」と題し、池を中心にイルミネーション・噴水・レーザーのダイナミックなショーが行われる。“水”を生かした光の乱反射を光模様が美しいと人気を集めた。2016年には「光の魔法じゅうたん」が新登場。人の動きに合わせて映像が変化するインタラクティブ“陸”を生かした演出だ。そのほか「光の魔法迷路」、「アラベスクの魔法」、「花時計の魔法」など、数々の演出が楽しめる。最新LEDや映像演出によって昼間とは全く別世界が創られる好事例と言えよう。

フラワーパークとイルミネーションの相性の良さ

ぐんまフラワーパーク

様々な最新演出を取り入れている施設も、単に技術が優れているということだけでファンの心は掴めない。ではなぜ、人気を維持しているのであろうか?その答えは、ひとつひとつの装飾にある。同施設では殆どのイルミネーション装飾を園内の人材、つまり普段は花の手入れを行っているスタッフが取り付けている。愛情を込めて花々や植物を扱う細やかな作業は、イルミネーションの取り付け作業にも似ているのだとか。樹木ひとつやグラウンドに煌めくイルミネーション見てみると、いかに丁寧に施されているか理解できるだろう。そして、初めてイルミネーションに訪れる人々に違和感や不快感を与えずに、ごく自然な満足感につながっているのだ。ぜひ、大胆な演出と細やかで丁寧な装飾の両方を見て欲しい。施設側の真心に出会い、より深い感動の時間に浸れることだろう。